2019年 ハロプロ研修生 春の公開実力診断テスト 講評
はじめに
2013年(平成25年)に行われて以来、毎年恒例となっている「春の公開実力診断テスト」、7回目となる今年2019年(令和元年)は10連休という最長のゴールデンウィークの後半5月4日(土)に中野サンプラザで行われました。
今年は先行予約の抽選には漏れましたが一般発売で何とかチケットを確保することができました。席は2階8列で、ステージからかなり離れていました。例のごとく、事前に自作で作成した採点表、今年は「歌唱10点」「ダンスパフォーマンス10点」「キャラクター3点」「インパクト2点」合計25点とし、上位得点の研修生の中から投票することにしました。
実力診断テストの進行はアラケンさん、審査員は、ダンス指導のみつばちまき先生、歌唱指導の上野まり子先生、レコーディングディレクターの橋本慎さん(2年ぶり)、ゲスト審査員に矢島舞美さん、清水佐紀さん、高橋愛さん、そして、シャ乱Qまことさん。
本編
では、エントリー順に1人ずつ感想および印象的だった審査員のコメントなどを。。。
1.橋迫鈴 / 私が言う前に抱きしめなきゃね (Juice=Juice)
中学2年生になり大人っぽさを見せはじめているりんちゃん、トップバッターという重圧をまったく感じさせず、常に笑顔でパフォーマンスをやりきりました。
「笑顔」この一年見てきて一番成長を感じていた点です。
歌に関しては、正直、ここまで上達しているとは思いませんでした。やるじゃん、りんちゃん!と思いつつ、思いかえすと、今年3月のハロプロ研修生発表会で「I Need You ~夜空の観覧車~」でのソロパート「今度は夜空の上で抱きしめて」が今まで聴いたことないようなりんちゃんの歌唱に鳥肌をたてたっけな(そして泣いた)。
今回が初めての実力診断テストでしたが、物怖じしないで、緊張しすぎないで無事にやり遂げました。相当度胸ありそうです。そして華があります。
歌・ダンスはまだまだ感がありますが、まだ11才(小学6年生)なんですよね!将来が楽しみで仕方ありません。歌中の「あっあっ」がかわいくもあり、色っぽさもありました。
上野先生「かりんちゃんはリズム感がとってもいいのでやったらやっただけ力になって」
3.米村姫良々 / そうだ!We're ALIVE(モーニング娘。)
歌のうまさが際立ちました。出だしの「努力 未来」でファンキーに、そして、声高らかに歌うきららちゃんに心を持っていかれました。
舞台を大きく使い会場全体にアピールしつつ、いろんな表情・歌唱を見せ、この曲の世界観を見事なまでに表現していて、エンターテイメントとしてパーフェクトの出来だったと思います。
ひとりでこの曲をやりこなすのはむずかしく、高橋愛ちゃんが「よくこの曲えらんだねぇ!」と興奮ぎみにコメントしてました。
幕張での握手会で、テスト楽しみですと伝えたら、真剣な面持ちで「がんばります」と返され、プレッシャーかけちゃったかなと心配してたけど、きょう、普段からの明るくてお茶目なきららちゃんが見られてホッとしました。本当にすばらしいパフォーマンスでした。
4.出頭杏奈 / Help me!!(モーニング娘。)
ボーカルの力強さにびっくりしました。そして、歌唱に技を備えているようにきこえました。伸びやかな歌声は私の好きなタイプ。
いままであんなちゃんをノーマークにしすぎたことを反省し、今後、注目していきたいと思います。歌唱メンバーに認定。
あんなちゃんの座右の銘は「継続は力なり」(まことさんの無茶振りに即答)
5.為永幸音 / オシャレ! (松浦 亜弥)
眼鏡を使って歌詞の情景を体現する演出に「うまい!」と思いました。
歌はまだまだという感じだけど、歌うことが好きなのが伝わってきて気持ちよかったです。
いつもの元気いっぱいなパフォーマンスもみられました。
アイドル性をたっぷり感じますし、応援したくなります。このまままっすぐに成長していってほしいです。
笑顔がトレードマークのななみちゃん、今回も笑顔たっぷりなのが印象的でした。
歌は、腹から響かせるような低い声をきかせたりして、定期公演ではみられなかったことに挑戦してきました。
歌とダンスのバランスがとれたら、さらに上を目指せると思います。
上野先生「きょうは大胆だった。難点だったリズムをよく練習してきたし、構成を考えてパフォーマンスしていてびっくりした。ありがとう、窪田」
7.小野琴己 / LOVE LIKE CRAZY(後浦なつみ)
今回の実力診断テストで一番難しい曲は、この曲ではなかろうかと思います。そんな難曲を表情が固くならずにパフォーマンス(こちらも相当難しそうでした)をまじえて歌いこなしたのは、これまで積み重ねたレッスンの賜物でしょう。しびれました。
サビの声の張りにほれぼれ、見事でした。
パフォーマンス中の自然な表情に成長を感じたし、歌い終った後にいつものおのことワールドになったのもよかったです。
8.佐藤光 / Majic of Love(J=J 2015Ver.)(Juice=Juice)
昨年に比べて歌に安定感が増しました。
どちらかというと無表情という印象があったのですが、表情が柔らかくなり、まさに、表情が出ていたのも成長を感じました。
上野先生「存在感がすごくあったし、ドン臭かったリズム感もよくなり、リズムに乗っていてよくなった、成長に涙が出そうになった」
歌とダンスパフォーマンスのトータルバランスがよかったと思います。
もともと歌・パフォーマンスに定評がありましたが、さらに磨きがかかり、引き込まれました。メリハリのある石栗ちゃんのダンスが好きです。
パフォーマンス中と歌い終った後の朗らかな感じとのギャップも好印象です。
橋本慎さん「パフォーマンスがキレッキレで表情もよく、一皮も二皮も剥けた感じがした」
10.山﨑愛生 / 夢幻クライマックス (℃-ute)
表現力ばっちりの歌唱に圧倒されました。
リズム感もあり、安心して聴いていられました。
黒の衣装に裸足というスタイルも印象的(よく見たらパンダさんも笑)。
歌い終った後はめいちゃんワールドで笑いの渦となりました。このギャップはくせになります。めいちゃんが大好きというマット運動の動きを取り入れたというパフォーマンスに審査員のまき先生「自分の得意なことを取り入れてアピールすることは大事なことだと思います」「やばいな北海道」
アラケンさん「北海道はまだ寒いんじゃないですか?」めいちゃん「寒いんですけどちょっとずつ暖かくなってポカポカしてきました」
11.金光留々 / キラキラ冬のシャイニーG (田中れいな)
るるちゃんのかわいいキャラと本曲が完全一致、自己プロデュースの点でピカイチでした。自分の強みをアピールできたと思います。
歌のうまさに磨きがかかったように見受けられ、研修生の中でトップクラスの歌唱力ではないでしょうか。
アイドルらしさが大きく感じられますので、ここをもっと磨いていってほしいです。
これまでランドセル、衣装変化など自己プロデュースのうまさが印象的でしたが、今回はストレートに歌とダンスの実力勝負をしてきました。後輩がどんどん入ってきている状況のなか、いろいろな意味で危機感を持って臨んできたように見受けられました。
パフォーマンス後は、どんな思いだったのか泣いてしまい、最後の高橋愛さんのコメント中には大泣きに。
歌声が伸びやかで聴きやすかったです。良いキャラクターをもっていますし、華がある娘なので、今後も見守っていきたいです。楽しみです。
13.山田苺 / GOOD BYE 夏男(松浦亜弥)
昨年の実力診断テストと比べて一番成長が感じられたのはいちごちゃんでした。
まず声量にびっくりしました。リズム感もよかったです。
伸びた身長にあわせて「イケてる女」を演出したという衣装も素敵でした。
いちごちゃんもなつめちゃんと同様のプレッシャーを感じながらの診断テストだったと思います。
上野先生から「骨盤から上の姿勢をよくしたらもっと声が鳴ってくると思う」というアドバイス。まだまだ伸び代がある子なので今後も期待しています。
14.工藤由愛 / ROCK エロティック(Berryz工房)
「ろっく、えろてぃっくー!」というあっけらかんとした、間の抜けた曲ふりで会場のあちこちからクスクスと笑いが起きるなかイントロが始まりましたが、歌い始めの「薔薇の似合う人生とは~」でダイナミックかつアダルティーな歌唱をひびかせ、そのギャップで会場全体が一気にゆめちゃんのペースに持っていかれました。うまい!これを計算ではなく素でやってのけるのがすごいのです。
選曲の妙もあったかな。
パフォーマンス後はタコワールドになりました。
15.斉藤円香 / アイサレタイノニ…(モーニング娘。 Q期)
第一印象は、きれいな声!発声は未熟ではありますが、音程がきちんとれていましたし、のびのび歌っているのが好印象でした。
この曲恒例の床に寝そべるパフォーマンスも頑張りました。
矢島舞美さん「大人の色気のなかにも一生懸命な感じも伝わってきて、高感度がグングンですね…うふっ」
今後、かわいい曲を歌うまどかちゃんをどんどん見てみたいです。
16.松原ユリヤ / SEXY SEXY(Juice=Juice)
まだ幼稚な歌唱ですが、声がクリアで歌詞がぐいぐい入ってきます。純粋(ピュア)といったほうがいいでしょうか。
リズム感もなかなか良いですし、今の実力を出し切りました。
昨年の診断テストで「春恋歌」を選んだ理由を「かんたんだから」と言い放ち爆笑をかっさらったのですが、今回「SEXY SEXY」にした理由を「むずかしいからです」と返答して一年越しで大オチをつけました。
まき先生の言葉に後ずさりしないで堂々としているところからも、この一年の成長を感じました。この娘、さらに伸びるね。
17.松永里愛 / ガタメキラ (太陽とシスコムーン)
誰もがその才能を認め、期待し、相当ハードルが上がっている状況で「ガタメキラ」というガチな最強曲を選んできたりあいちゃん。最終エントリーという幸運(?)もあり、ハマればベストパフォーマンス賞を確実なものにできるけど、ほんの少しでもひっかかるようなことがあると期待してた分だけ真逆の結果となるという、危うい選曲だったと思います。
結果、もう完璧でした。フレーズひとつひとつにニュアンスが感じられ、胸にグングン突き刺さってきました。特にサビ前の「もうちょっと 本気で私 愛してくれたの どっちよ Tell me why?」がすごすぎて座った姿勢のまま思わず後ろにのけぞってしまいました。
とにかく歌を聴かせるパワー満載でした。
投票
全員のパフォーマンスが終了し投票タイム、採点により米村姫良々ちゃんと松永里愛ちゃんにしぼって、投票箱の前でひと悩み…ハロプロ感満載のきららちゃんか、それとも、将来歴代のハロプロ歌姫に匹敵するであろうりあいちゃんか…
松永里愛ちゃんに投票しました。
結果発表
○癒されましたで賞 松原ユリヤ
○キャラクター賞 山﨑愛生
○歌唱賞 石栗奏美
○ダンス賞 工藤由愛(得票数2位)
そして・・・
○ベストパフォーマンス賞 松永里愛(得票数419)
おめでとう!
最後に
今年もハイレベルな診断テストでした。特に研修生北海道のみんなの勢いが顕著で、それが各賞にあらわれています。とにかくキャラが立ってるし実力もあります。「やばいな北海道!」この結果をバネに奮起し、研修生全員、さらに上をめざしてほしいなと願っています。
最後に・・・研修生全員のお見送り会では、中山夏月姫ちゃんには確実に「よかったよ!」と伝えたくて、待ってる間もそのことだけを考えてまして、そのおかげで無事に言えましたし、なつめちゃんに私の気持ちが伝わったようで、明るい笑顔がみられました。伝えられたことにほっとして、そのあとのほうに並んでいた一押しである橋迫鈴ちゃんと目線をあわすことができなかったのは失敗でした。